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鎌倉・野菊【歌人の行きつけ その3】 [歌人の行きつけ]

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11/25(金)は早めに帰れたので、鎌倉の「野菊」へ。初めての訪問。

駅から小町通を歩いていくと、左側に見えるこの看板が目印。

この「野菊」も、大下一真さんの『山崎方代のうた』(短歌新聞社)で、山崎方代がよく行ったお店として名前が上がっている。

店内はテーブル席が三つに、カウンターが四席。こじんまりとしたお店で、メニューを見ると、昼は定食屋さんといった趣き。

瓶ビールと「カツ丼のあたま」を頼む。

「カツ丼のあたま」とは何かというと、カツ丼のご飯なしのもので、言わば「カツとじ」。メニューにはない。

鎌倉の立ち飲み屋「ヒグラシ文庫」で飲んでいるとき、たまたま隣にいた女性が、「野菊」に行くなら「カツ丼のあたま」がオススメと教えてくれたのである。

甘い味付けがやさしい

方代が飲んでいたころと、店内の雰囲気はほとんど変わっていないのではないか。そんな昭和の雰囲気を感じるお店だった。

また、飲みに行こう。

今井恵子歌集『やわらかに曇る冬の日』

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今日の午後は、今井恵子さんの第五歌集『やわらかに曇る冬の日』を拝読。

日曜の午後は、明日からの仕事のことを思い出して、ブルーな時間を過ごすことが多いのだけれど、今井さんの歌集を読み終えて、とても静かな気持ちになっている自分に気づいた。

眉のなき少女の顔に一歩ずつ近づいてゆくレジに並びて


僕はスーパーが好きで、週末には近所のダイエーによく買い物に行くのだが、レジの待ち時間をこんな風に詠えるのかと、ちょっと驚いた一首。


ストローをソーダの緑が昇りゆき娘はガウディーに憧れやまず


歌集の中で一番好きな歌。上の句の細部へ焦点の当て方がとてもうまく、ソーダがストローを昇って行くベクトルと、下の句の「憧れ」のベクトル(たぶん上向き)が、イメージの中で重なり合う。とても美しい歌だと思った。


リビングに「ねえ」とし言うに「え」「なんだ」「はあ」と声あり三方向より

吊り革を掴む左の手の甲にボールペンにて「弁当」とあり


歌集には、こういう楽しい歌もあり、読んでいて、とても気持ちが落ち着いてくる。

他には、こんな歌がいいと思った。


ただいまと言うに昨夜は母のこえ小さく低く母の声ありき

植木屋のはさみ鳴る朝ザリガニの脱皮する昼てがみ書く夜

ふらいぱん声にして言うふらいぱん壁に掛かりてふらいぱん静か


今井恵子さん、ありがとうございました。

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