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内山晶太歌集『窓、その他』

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内山晶太歌集『窓、その他』(六花書林)を読む。

内山晶太さんの作品については、2004年7月〜2005年5月までの1年間、「りとむ」誌上の「Chaser〜現代短歌の今を追う〜」という企画で、内山さんが総合誌や結社誌に発表した作品をリアルタイムで批評をするという試みをしていたことがある。

そのときに、私が取り上げたのは、歌集中では例えば次のような作品。

冬空を叩きて黒き鳥がゆく一生は酸しとおもう昼過ぎ
いくつかの菫は昼を震えおりああこんなにも低く吹く風
ショートケーキを箸もて食し生誕というささやかなエラーを祝う


内山さんが27、28歳のときの作品ということになる。『窓、その他』については、他のところでも取り上げたいと思っていて、ここではあまり書きすぎないようにしたいのだが、一首目の人生の酸っぱさとか、二首目の視線の低さとか、現在の内山さんの作品世界の大部分は、このころから出来上がっていたように思う。

私も当時から内山さんの歌集の出版を待ち望んでいた一人なので、『窓、その他』の刊行を受けての、Twitter上での「#内山晶太祭り」の盛り上がりは、本当に嬉しい。俳人の方や詩人の方にも、強くオススメしたい一冊。

「#内山晶太祭り」については、hanaklageさんが、togetterにまとめてくださっているので、こちらをご覧ください。

他には、次のような歌に惹かれた。

春の雨こすれるように降りつづくほのあかるさへ息をかけたり
春の日のベンチにすわるわがめぐり首のちからで鳩は歩くを
かけがえのなさになりたいあるときはたんぽぽの花を揺らしたりして
「疲れた」で検索をするGoogleの画面がかえす白きひかりに
コンビニに買うおにぎりを吟味せりかなしみはただの速度にすぎず
湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし
わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に
影絵より影をはずししうつしみはひかり籠れる紙に向きあう




写真は横須賀の居酒屋さんのランチメニューのネギトロ丼。小鉢と味噌汁付きで500円。横須賀は三崎港に近いためか、マグロはどのお店で食べても大抵ハズレがない。


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