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「太郎と花子」第13号

「太郎と花子」の最新号を読んだ。2011年5月25日発行の第13号。僕の所属誌の一つだ。

「太郎と花子」は、2000年1月1日に創刊。以来、年1冊のペースで発行している短歌雑誌

北海道新聞の日曜歌壇の選者をしている松川洋子が、10代、20代を中心とした投稿者に声をかけたのが創刊のきっかけ。

僕は第1号の編集に関わったが、同じ年の3月には大学を卒業して札幌を離れてしまったので、以降は札幌のメンバーに任せっきりになってしまっている。現在は、松川洋子と佐野書恵が中心になって編集をしている。

「太郎と花子」というのは実に不思議な雑誌で、結社誌とか同人誌とかいう範疇に収まりきらないところがある。昭和2年生まれの松川洋子が編集発行人で、後の会員はみんな若者。そんな変わった年齢構成の雑誌なのだ。(十年以上経って、若干、年を重ねてしまった僕のような元若者もいる。)

みんな松川洋子という強力な磁場に惹きつけられて、いつの間にかメンバーになっているという感じ。

「太郎と花子」には、樋口智子、雪舟えまなど、歌壇で活躍中の卒業生もいる。卒業って、なんだか、たろはなには、モーニング娘みたいなところもあるのかなあ(笑)。

こんな雑誌が札幌から発信され続けてもう十年以上経つ。自分の所属誌ながら、凄いことだなーと思ってしまう。

「太郎と花子」第13号を読み通して、いいと思った歌がたくさんあった。全部は紹介できないけれど、例えばこんな歌。

重なりて死にしと聞けば終(つひ)の時の遅速をおもひ涙こぼるる 松川洋子

聖誦のいくつか忘れ罪を忘れ 忘れ忘れて正座してをり 同

神が居ると信じてわが子を殺したる母たちのため神は在るべし 荒井直子

蝶一羽飲みたるごときこころもて雪降るまへの空の下ゆく 佐野書恵

ここからでいいからしゃがみこんだまま空ならみんなで眺められる 天野陽子

十億を稼ぐ男の憂愁を曳きゆく犬のお散歩タイム 出口明彦

長いほど由緒正しき神社らし「うん」担当の狛犬の角 岩田摩尼

本心を言ふときは「僕」となることを知るゆゑふかく座りなほしぬ 徳長しのぶ

いやまじで秋の味覚になるとこさ焦げ茶の奴と目が合ったんだわ 横山やすこ

キャンディを包むみたいに守られて ただそこに有るだけの私の膨らみ 斉藤舞

コンビニの袋にワインをひっさげて戻る足音に今だけ酔う 白幡典子

一年前祖母を送った薄氷季 めぐりめぐりて我子を宿す 齋藤美和

「なっちゃん!」のペットボトルの「N」の字を指で隠して飲めば何味 西村小清

僕はただ旅人でした人という季節に揺れる旅人でした 山内昌人



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コメント 2

根保孝栄・石塚邦男

出口明彦の「初蝶通信」十冊預けられて、配りました。
面白いシニック作品に満ちた歌集ですね。
40過ぎてから「太郎と花子」に入ったというのですから、よく入られたと思いますね。
松川さんが可愛がったのでしょうか。
知り合って10数年になりますが、飲みすぎで胃を壊したことがありますね。私の友人は皆酒豪が多くて、ほとんど60まで生きた者ほとんどいないので、彼の酒豪ぶりは心配してます。

by 根保孝栄・石塚邦男 (2015-04-22 07:17) 

根保孝栄・石塚邦男

10月16日の日曜日に苫小牧市民短歌大会があり、「太郎と花子」の出口明彦さんも出てました。電話では時折話すのですが、久しぶりに会いまして短歌のことなど雑談。彼とは知り合って十数年になりますが、昔は飲み友達でした。よくしゃべる男で本をよく読んでいて、面白い奴です。短歌は凝り性なので数が作れないのが欠点。やはり、数をこなさないと持ち味が出ないもの。単発ではダメな世界ですから。
by 根保孝栄・石塚邦男 (2016-10-17 06:37) 

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